「ママー、ママもひこーきで、とんだんでしょー」

「うん。そうよ。ふたりが生まれる前にねー」

 僕も早く乗りたいという子どもたちを宥める。

「もうちょっと大きくなったらね」

 そう。私もいっときは夢を掴んでCAになった。

 あのときの私は自信に満ちていて、これからはなんだってできると信じて疑わなかった。

 もう一度、あのときみたいに強くならなきゃ。

 夢は破れたけれど、今の私には子どもたちというパワーの源がある。

 別に最初からあきらめなくていい、

 見合いだって会ってみなければ、なにもわからないのだ。