双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~

 それに彼女は一夜を共にしたからといって、本当になにも求めてこなかった。

 なんの気なくSNSは交換したが、俺から連絡するつもりはなかった。

ロンドンで彼女から礼を告げるメッセージが来なければ、地中海の思い出となり泡と共に消えていた、はず。

 ――いや、

 苦笑いを浮かべてかぶりを振る。

 俺はメッセージが来てやしないかと、スマホを気にかけていた。彼女からあのまま連絡がなければ。自分からメッセージを送っただろう……。

【無事ホテルにつきました。ありがとうございました。

 教えてもらった美味しい中華料理のレストラン、行ってみますね。 では】

 元気で、と返していれば終わっていただろうに、そうはしなかった。

【一緒に行ってみる?】

 俺が茉莉を誘ったんだ。

 東京に帰ってきても同じ。手を伸ばさずにいられない衝動に突き動かされ、さりげなく誘惑し、彼女を抱く。

 俺の意志であり、彼女が誘ってきたわけじゃない。