それから、私は、体験入部の日は、そこに行くのが、当たり前であるかのように、軽音部に足を運んだ。
「こんにちは」
「こんにちは、川西さん」
と迎えてくれたのは、部長の蒼井先輩だ。
シンセサイザの調整をしていた。
「今日も、よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくね。あっ、浅倉君、もう、来て、川西さんの事、待ってるから、先、行って来て、大丈夫だよ」
「はい、ありがとうございます」
そこには、必ず、浅倉君が居て、私にベースギターを教えてくれた。
私は、ベースギターを弾くのに夢中になっている浅倉君に近づいて、隣に座る。
私に気がついたけど、手を止めず、微笑んで、譜面をなぞり続け、曲を弾き終わると、ギターを肩から降ろした。
「川西、今日もベース?」
「うん、教えて欲しい」
「任せとけ」
軽音部の先輩には、ベースギターを教わるなら、浅倉君が良いのがお見通しだった。
だけど、他の楽器をやる時は、先輩が教えてくれる。
一度、自分の練習が止まってしまうし、先輩も居るのに、私に付きっきりにならなくても大丈夫だと言った事があった。
だけど、浅倉君は、
「良いよ。俺も基礎の復習にもなるし、教える練習にもなるから」
と言ってくれて、それからは、教える事を遠慮される方が嫌だから、教えてもらいたい時は、話しかけてくれたら、教えるとも言ってくれた。
そして、私は、日を重ねる度、ベースギターに興味を持つようになった。
「ありがとう」
「まだ、これからだ。
待ってるから、ギター、用意して」
「はーい」
今日は、一時間ほど、教えてもらった。
「今日もありがとう」
「どういたしまして。...川西、ベースギター、センスあるよ」
「そうかな?」
「ああ。他の楽器も見てても、覚えるの、早いし。
音もしっかりしてるから」
「えへへ」
普段、褒められる事が少ないから、照れてしまう。
「俺は、もう、軽音部に、入部するけど、川西は、部活、どうする?」
私の答えは、決まっている。
「...私も、軽音部にする」
すると、浅倉君が笑って言った。
「一緒だな」
「うん」
残りの時間は、他の楽器を体験して、あっという間に、下校の予鈴が校舎に響く。
「ありがとうございました」
部活も解散になって、帰ろうとした時、浅倉君が私に駆け寄ってきた。
「川西、方向、どっち?」
「えっと、北坂」
「良かった。方向、同じだ。一緒に帰ろ」
「うん」
「こんにちは」
「こんにちは、川西さん」
と迎えてくれたのは、部長の蒼井先輩だ。
シンセサイザの調整をしていた。
「今日も、よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくね。あっ、浅倉君、もう、来て、川西さんの事、待ってるから、先、行って来て、大丈夫だよ」
「はい、ありがとうございます」
そこには、必ず、浅倉君が居て、私にベースギターを教えてくれた。
私は、ベースギターを弾くのに夢中になっている浅倉君に近づいて、隣に座る。
私に気がついたけど、手を止めず、微笑んで、譜面をなぞり続け、曲を弾き終わると、ギターを肩から降ろした。
「川西、今日もベース?」
「うん、教えて欲しい」
「任せとけ」
軽音部の先輩には、ベースギターを教わるなら、浅倉君が良いのがお見通しだった。
だけど、他の楽器をやる時は、先輩が教えてくれる。
一度、自分の練習が止まってしまうし、先輩も居るのに、私に付きっきりにならなくても大丈夫だと言った事があった。
だけど、浅倉君は、
「良いよ。俺も基礎の復習にもなるし、教える練習にもなるから」
と言ってくれて、それからは、教える事を遠慮される方が嫌だから、教えてもらいたい時は、話しかけてくれたら、教えるとも言ってくれた。
そして、私は、日を重ねる度、ベースギターに興味を持つようになった。
「ありがとう」
「まだ、これからだ。
待ってるから、ギター、用意して」
「はーい」
今日は、一時間ほど、教えてもらった。
「今日もありがとう」
「どういたしまして。...川西、ベースギター、センスあるよ」
「そうかな?」
「ああ。他の楽器も見てても、覚えるの、早いし。
音もしっかりしてるから」
「えへへ」
普段、褒められる事が少ないから、照れてしまう。
「俺は、もう、軽音部に、入部するけど、川西は、部活、どうする?」
私の答えは、決まっている。
「...私も、軽音部にする」
すると、浅倉君が笑って言った。
「一緒だな」
「うん」
残りの時間は、他の楽器を体験して、あっという間に、下校の予鈴が校舎に響く。
「ありがとうございました」
部活も解散になって、帰ろうとした時、浅倉君が私に駆け寄ってきた。
「川西、方向、どっち?」
「えっと、北坂」
「良かった。方向、同じだ。一緒に帰ろ」
「うん」



