どんな君でも愛してる


 彼女を大切にしないといけない理由がこの会社にはあり、部長も彼女の腰かけ風情の仕事ぶりを許してしまっている。

 それが彼女の姿勢に拍車をかける。仕事を預けても適当になる。彼女の仕事はたくさんのミスを呼び、多くの人に迷惑をかけ始めた。そして、指導員の私はそのたくさんのミスをすべて庇い、片付けてきているのだ。

 もう、叱る気も失せた。社会人として大切なことを、いや、人間として大切なことができていない。

 親御さんの躾の問題?育ち?ただ、横顔に彼女の孤独が見えて、今に会社に来なくなるんじゃないかと少し心配している。だから、私は我慢している。

 ここ最近は、仙台支店からの電話だとわかるランプがついているときは私が率先して出る。周りも私が奔走していたのを知っているので、仙台は私担当だと思って電話に出ない。

 まあ、そのおかげで篠田さんや並木さんと親しくなり、いつか実際にお会いして話してみたいと思っていたほどだ。彼もそう思ってくれているとは思いもしなかった。