「君が間違えて振り込んだ仮払は本来なら始末書を書くくらいのことだったんだよ。それをあろうことか仙台の事務さんのせいにした。事後処理は川村さんがあちこちに頭を下げて、システム変更してなんとかなったんだ。ちなみに僕もあちこち謝罪した。その時君は何をしていた?」

「……え……」

「ちょっと来なさい」

 部長が彼女を連れて部屋を出た。後ろで三井先輩と木崎君がハイタッチしてガッツポーズ。

 ふたりに声をかけられるまで、驚きすぎて私はしばらく立ち尽くした。

 今日は晴れているがきっと大雨になるかもしれない。

 それくらい部長のひとことは晴天の霹靂だった。