「しばらく収入はないし、労災のお手当くらいだけど……お車代、おいくら出せばいいのかしら?」 「代金は、凛花の全てだ」 「……え?」 彼は黙った。 素晴らしい宿だった。離れを予約していたようだった。ここは部屋が独立していて、ひのきのお風呂もついている。 「ゆっくりひとりでお風呂に入っておいで……肩までつかるんだぞ」 「もう、子供じゃないんだから大丈夫」 「違うよ、左肩。ここのはそういう怪我にいいらしいんだ。調べたからここへ来たんだよ」