どんな君でも愛してる


 その要員に私も選ばれた。というか、無理やりねじ込まれた。本来なら人事部からは出ない。システム部から出るのだ。畑違いなのだからおかしいのだが、それには裏の理由がある。

 新部長は前の部長のことも、私のことも、本当に気の毒だと同情してくれた。社長が君に何かする前に、近場に逃げておきなさいと言う。

 人の噂も75日。3ヶ月程度工場で隠れてくるのはどうだいと聞いてくれた。

 私は頷いた。いい考えだと思ったのだ。社内で北野さんと彼の縁談が実はあったらしいという噂が漏れ始めている。私と彼の交際も公になっていて、すっかり私は彼を略奪した悪者なのだ。

 噂の主がいなくなれば、きっとだんだん誰も話さなくなる。三か月はちょうどいい期間だと思った。

 工場で私なんて使えないかもしれないが、とりあえず雑用でもいいからやろうと決めた。