どんな君でも愛してる


「はい、は、一回で結構です」

「はーい」

「もう、お子様ね!」

 二人で顔を見合わせ噴出した。

 ようやく月末に退社が決まった。こんな風に逃げるように辞めることになるとは思いもしなかった。

 出自を話していなかったことで皆の信用を失ったのが残念でならない。俺たちの噂話など会社で仕事をするうえでマイナスにしかならない。できるだけ早く姿を消して、皆に平穏な生活が戻るようにすべきだと諦めた。

 俺のことも、わかる人にはわかるから気にするなと言ってくれた上司も数名いた。だが、一番かわいがっていた部下の相川は、わかりたくないと言った。裏切られたという思いの方が大きいと言われたのだ。それもわかるから否定しなかった。