じっとこちらを見てる。嘘をついたとわかっているんだろう。俺の様子を見て、聞かないほうがいいと判断したのかそれ以上聞いてこない。こういうところを見ると本当に彼女は俺を信じてくれていると痛感するんだ。
「そういえば、引継ぎは順調?」
「そうだな」
「もう……あのね、言いたくなければ言わなくてもいいけど、きちんと食事くらいはして。顔色が悪いの。それに、誰かに何か理不尽なことを言われたなら話していいのよ。愚痴にも付き合うし、お酒を飲んでもいい。そんな顔しないで。言ったでしょ、信也さんらしく……」
「わかってる。だから時間を捻出してここへ来たんだ、凛花は、俺らしくいるために必要な切り札なんだから……」
「そう?ならいいけど、お願いだから私の前で我慢しないでね」
「はい、はい」



