キスが落ちて首元に。服の上から手が忙しい。

 私は彼を抱きしめた。彼の手が止まった。

「ごめん。約束したのにな」

「ううん、いいの。そろそろ帰るね」

「ああ、そうだな。送るよ」

 お互いの秘密はとてもつらい告白になった。

 でも、信じてる。

 彼は初めて私に弱みを見せてくれた。嬉しかった。そして、自分が彼の側にいる意味を見いだせた。

 支えてあげたい。この人を、大好きな彼を全力で支えたいと思った。

 私はまだ気づいてなかった。

 大きな渦に巻き込まれはじめていたことに……。