「……交渉中ってどういうこと?」
「ノアへ戻ってほしいと父に頼まれたんだ。理由は……さっき言った販売会社立ち上げの問題だ」
「……!」
私の顔を覗き込んだ彼は、心配そうに聞いた。
「凛花……他に何が聞きたい?なんでも答える」
どうしよう。聞いていいの?あなたは北野さんと婚約していたの?それとも、結婚のはなしがあっただけ?彼が断ったことはわかっている。今更蒸し返して聞く必要があるんだろうか。
でも、知らないことで聞きたくないことを聞かされたらどうしよう。受け止められる?そう思うと尚更怖くて聞けない。
「凛花?おい、どうした……」



