どんな君でも愛してる


 まさか、彼がその大きいほうの会社の人?きっと相川君も知らなかったんだよね。彼に家を紹介したくらいだ。実家の取引のある窓口の課長になったの?そんなことある?私は頭が真っ白になった。

 私が黙ってそのままふらふらとロッカーに行ったのを見て、木崎君は黙った。

 ロッカー室で私は茫然とした。携帯を見て、聞くべきか悩んだ。そうだ、加菜。彼女に聞こうと思って、連絡しようか文章を考えていて手が止まった。

 私の彼氏ってそこの取引先の息子ですか?辞めるんですかって?聞けるはずがない。どうして本人に聞かないの。営業部で噂になってると木崎君は言った。ということは、彼は私の耳に入ることくらいわかっているはずだ。

 彼がノアケミカルという会社の親族だったということを、ほとんどの人は知らなかっただろう。何しろ、入って最初は全然違う営業部に新人で二年。その後すぐに仙台へ四年。戻ってきてまだ数か月。