どんな君でも愛してる


 私はガタンと音を立てて席から立ち上がった。

「……それ、ほんとう?」

 木崎君はびっくりした表情で私を見上げた。

「え?知らなかったんですか?じゃあ、ただのガセネタか、ならよかったです。並木さんがいなくなってノアケミカルも取引縮小されると大変だって相川さんも言ってましたよ。北野化学が全面撤退したところですし……」

「……ノア……ケミカル……」

 二部の取引先にそういうところがあったかもしれない。

 私は詳しくなかったが、相川君が異動してすぐのころ、二大取引会社と言ったうちのひとつが北野さんの北野化学。彼女を大事にしていたのはそれもあるけど、もうひとつのほうが大きいから大丈夫かなと言っていたのだ。