「そうしろ。おい、北野は?」
「また、トイレです」
「はー。ったく、しょうがねえな。営業部にあいつの親父さんが来ているから呼んでくれ。借りていく。部長にあとで川村から言っておいて……」
相川君は北野化学という北野さんのお父さんが社長をする会社が取引窓口になっている部署に異動した。
社長さんがよく挨拶に来る。そして娘である彼女に会いたがり、相川君は彼女を迎えに来て借りていく。
私は相川君ににっこり微笑んだ。北野さんはほとんどお仕事しませんから、どうぞ、どうぞお連れくださいと顔に書いてあったかもしれない。
「はい、了解です。どうぞお連れくださいな」



