あれから五分ほど歩いて、
私はようやく高校に到着した。

クラス分けの表は、校舎に入ってすぐ右側にある、大きな掲示板に貼られていた。

「えーっと……私のクラスは……」

私は上から一つ一つ丁寧に確認しながら、
自分の名前を探した。
うーん……なかなか、見つからないな。

「あっ!」

苦労の末、名前を見つけ、私が思わず声を
上げてしまったのとほぼ同時に、

「あれ、キミも?」

低く心地良い声と共に、
私の周囲に甘い香りが漂った。

「へっ?」

急に声を掛けられるとは思っていなかったから、
私はそんなおかしな声で振り返った。