〈五分後〉
あれ……?
時間になったけど、バスが来ない。
でも、まあ一、二分遅れることはたまにあるし。
待っておこう。

〈さらに五分後〉
うぅ、来ない……‼︎
でも、まあ今から来たバスに乗っても、
間に合うっちゃ間に合う。
そう、信じて待とう。

〈?分後〉
あぁ、
ずっと立ってるせいで足が痛くなってきた……
座りたい……
ほんとにいつになったら、バス来るの……
そろそろ、私が限界を迎えそうだよ。

すると、向こうから大きいな影がこちらに進んで来るのが見えた。

あれは……
バスだ‼︎

やったーー‼︎
やっと乗れる‼︎

そもそも、今何時なんだろう。
体感的にはかなりの時間が過ぎたような気がしたけど……

もしかして、ヤバいんじゃ……

そう悟った瞬間、冷たい汗が首筋を伝っていくのがわかった。
不安になりながらも、私は腕時計を確認した。


「嘘……でしょ」

只今の時刻、八時三〇分。

始業式は、八時五〇分から。
バスに乗っている時間と降車してから学校まで歩く時間を考えると……

城谷真澄、一六歳。

新学期早々、大遅刻が確定しました。