鐘の音が、運命の人だって教えてくれた。


 フンフフーンフーン。

 日直だからっていう理由だけで先生に雑用を頼まれちゃったけど、それでも今日のわたしは上機嫌なの。

 だってだって、風紀委員の座を無事ゲットできたんだから!

 まあ、わたしが風紀委員に手をあげたときには、若干ザワついたけど。

『風紀委員がやりたいなんて、変わった人もいるんだね~』なんて声が聞こえてきたりもしたけど。

 そんなこと、どーだっていいんだもんね。

 だって、岩瀬先輩と一緒に委員会活動ができるんだから。


 思わず鼻歌を歌ってしまうくらい軽い足取りで昇降口を出ると、すぐそばにサッカーボールがひとつ転がっているのに気がついた。

 グラウンドからこんなところまで転がってきちゃったのかなあ?

 でも、誰も拾いに来る様子もない。

 しょうがないなあ。

 ボールを拾い上げると、わたしはグラウンドの方へと歩いていった。