鐘の音が、運命の人だって教えてくれた。

 そしてはじめての委員会は、一時間ほどで滞りなく終了。

 委員長・副委員長に岩瀬先輩と三谷先輩が再選出され、その他には今後の予定の説明が軽くあったくらい。


「風紀委員会の主な仕事は、毎朝交代で校門前に立っての服装・遅刻者チェック。当番の日は、集合時間が早くて大変かもしれないが、くれぐれも遅刻のないように」

 そう言いながら、岩瀬先輩がちらりとわたしの方を見る。


 一番遅刻しそう、とか思われてる⁉

 こう見えて、わたし、今まで遅刻したことないですから!

 この前みたいにギリギリの日が、他にもあったんじゃないかって聞かれたら……なかったとは言えないけども!


 委員会終了後、ノロノロと帰り支度をしているうちに、教室内はわたしと岩瀬先輩たちだけになった。

 先輩たちは、プリントを見て、なにやら相談中みたい。

 里沙には『がんばって、先輩とお近づきになんないとだね』なんて言われたけど、今、声を掛けたりしたら、お邪魔になっちゃいそうだし……。

 カバンを持って教室をそーっと出ていこうとしていたら、先輩たちが揃ってわたしの方を見た。


「あ……」

 突然のことに、緊張して声が出てこない。