大輝くんは自然な仕草でそっと手を伸ばすと私の目の下をゆっくりとなぞる。
一瞬何が起こったのかよく分からなかったけど、心臓がドキッと甘く響く。
「だ、大丈夫!今日が楽しみすぎて寝れなかっただけだから!」
「そう?無理はしないでね?」
心配そうに話す大輝くんはとても優しい。こんな私のことを心配してくれるなんて。
なんてかっこいいお兄ちゃんなんだろう。
「あはは!でさー」
2人で話していると廊下の奥から話し声が聞こえた。こちらに向かっている様子で足音も聞こえる。
「や、やばいよ!こんなところ誰かに見られたら……ひゃあ!」
「大丈夫。こうすれば紬ちゃんは見えないよ?」
こんなところ見られたらまずい、と逃げようとした私を掴まえると、大輝くんは何を思ったのか私を思い切り抱きしめた。
周りには見えないように大輝くんの背を廊下に向けて、私を隠すようにした。



