俺はまだ本調子ではない身体を引きずり、病室を出た。 そしてカルテに書かれていた彼女の病室に向かう。 彼女の病室もまた、個室だった。 がらんとした無機質な空間の中、彼女は頭に包帯を巻き、ベッドに横たわっていた。 俺はベッドサイドの椅子に腰を掛けた。 ……まだ眠ってる。 俺を助けるためにケガを負った彼女。 こんな小さな身体で、俺を突き飛ばしたのだ。 もし一歩間違えれば、彼女も事故に巻き込まれ、もっと大きなケガを負うことになることになっていたかもしれないのに。