「おい」 ぼーっと車窓を見つめていると、ずっと黙っていた黒服の中のひとり――向かい側のシートに座っていた男の人が声をかけてきた。 その人は、さっき私が我も忘れて食ってかかった人。 私より多分何歳か年上。 だけど黒服の人たちの中で一番若く、そして他の人たちを束ねる一番偉い人のようだった。 そしてさっきまでは全然気にも留めていなかったけど、とてもかっこいい人……。 肩まである金髪は、まるで獅子のよう。 でも、怒ったら怖そう……。