契約シンデレラ

圭史さんが出て行ってから、私は掃除や洗濯を始めた。
決して綺麗好きってわけではないけれど、少しでも居心地のいい空間をと片付けをしていた時、来客を伝えるチャイムが鳴った。

「こんにちは」

インターホンに映ったのは咲奈さんの顔。
驚いた顔をしなかったところを見ると、私がここにいるとは知っていたらしい。

「少しお話があるのだけれど、いいかしら?」
「えっと・・・」
「晶さんに話があるの」

圭史さんは不在ですがと言おうとしたところを、遮られてしまった。

「では、どうぞ」

私に話って言うのが気になるけれど、断るわけにもいかない。
私は咲奈さんを招き入れることにした。