「個人情報の漏洩の話は昨日したよな?」
「ええ」
その犯人として私の名前が挙がっていると聞いた。
「今度は顧客情報が漏れたらしい」
「それは・・・」
取引先の情報が漏れるのは会社にとっては一大事。
昨日聞かされた社員の個人情報漏洩とは話が違う。
顧客の情報が漏れたとなると、会社としての信用を失い取引自体が危うくなってしまう。
そんなことになれば、いくら大企業の龍ヶ崎建設だって経営不振に陥る可能性がある。
「大丈夫なの?」
そんなこと医者である圭史さんに聞いてもどうしようもないとわかっていながら、真也さんの口から「大丈夫だよ」と言ってもらうことを期待した。
「誰が何の目的で内部情報を漏洩したのかがわからない限り、大丈夫だとは言えないな」
「うん、そうだね」
まだ状況がはっきりしないからこそ、圭史さん自らが奔走しているのだろう。
みんなが必死にこの危機を乗り越えようとしているのだ。
「安心しろ。このくらいの騒ぎで龍ヶ崎建設がつぶれることはない」
励ましのつもりで真也さんは言ってくれたのだろう。
だから元気を出せの気持ちが込められているのだとわかった。
しかし私は、こんな時に何もできない自分が情けなくて落ち込んでいた。
「ええ」
その犯人として私の名前が挙がっていると聞いた。
「今度は顧客情報が漏れたらしい」
「それは・・・」
取引先の情報が漏れるのは会社にとっては一大事。
昨日聞かされた社員の個人情報漏洩とは話が違う。
顧客の情報が漏れたとなると、会社としての信用を失い取引自体が危うくなってしまう。
そんなことになれば、いくら大企業の龍ヶ崎建設だって経営不振に陥る可能性がある。
「大丈夫なの?」
そんなこと医者である圭史さんに聞いてもどうしようもないとわかっていながら、真也さんの口から「大丈夫だよ」と言ってもらうことを期待した。
「誰が何の目的で内部情報を漏洩したのかがわからない限り、大丈夫だとは言えないな」
「うん、そうだね」
まだ状況がはっきりしないからこそ、圭史さん自らが奔走しているのだろう。
みんなが必死にこの危機を乗り越えようとしているのだ。
「安心しろ。このくらいの騒ぎで龍ヶ崎建設がつぶれることはない」
励ましのつもりで真也さんは言ってくれたのだろう。
だから元気を出せの気持ちが込められているのだとわかった。
しかし私は、こんな時に何もできない自分が情けなくて落ち込んでいた。



