幼い頃、ゆびきりをした人は次期社長候補のあなたでした


「怜花は小さい頃の記憶はあまりないのか?」

「そうねぇ…ひとりっ子でのんびり屋って親からも言われるの、ボーッとしてるみたい、昔こんな事あったでしょって言われても憶えてないの」

「親父が会社の海外進出でシンガポールに家族で行ってからは俺達は会ってないからな、親父同士は会ってたみたいだけど、小学校以来か…」

「今、龍くんはどんなお仕事してるの?」

「本業はモデル」

「モデル?確かに身長も高いしスラッとしてる」

「雑誌は見ないタイプ?」

「うん、本は好きで凄く読むけど雑誌はあまり見たことないかな」

「後はプロデュースとかかな」

「プロデュース?」

「俺も27だからね、モデルだけでも生活はなんとか出来るんだけどやりたい事があってイベントとかの会社を立ち上げてる」

「凄い、社長なんだ」

龍くんから2つの名刺をもらった。

「神谷の名前は出してないけどここの企画部には時々出入りさせてもらってる」

それで…自販機の場所とか休憩室とか先に先に歩いていくと思ってた。

「その…この会社は継ごうと思わなかったの?」

「今は思わないかな、もし会社に何かあったら雅臣と2人で立て直す気持ちはあるけど、モデルにスカウトされて芸能も面白くてね、だから基本はモデルかな」