幼い頃、ゆびきりをした人は次期社長候補のあなたでした


こくんと頷いた。

前に垂れた髪の毛をかきあげる。

「怜ちゃん、父さん達が帰る前に着替えようよ」

「そうだね…ん、立たせて」

雅臣は両手を前に出した怜ちゃんの腕を引っ張って立たせた。


「いっちに、いっちに…」

何故かムカデ競走みたいに僕の肩に手をかけて可愛い掛け声をかけ始めた。

「こんなのもやったね、電車ごっことか(笑)」

怜花の部屋に入り真ん中で雅臣は止まった。

「いっちに…ぶっ、痛っ」

背中に怜花がぶつかりそのまま雅臣の腰に手を回し、ぎゅっと抱きついた。

前に回された怜花の手を握る。

「怜ちゃん、昨日検索した?」

「したよ」

「どう思った?」

「私、来年、お嫁さんになるの?」

「僕のお嫁さんになって」

「……」

「怜ちゃん?」

「私、臣くんのこと好きなのかなー」

「嫌いじゃなかったら好きなんだよ」

「嫌いじゃないよ」

「怜ちゃんはお嫁さんになりたい?」

「なりたいよ」

「じゃあ僕が怜ちゃんをお嫁さんにするよ、約束する」

「ほんと?」

「うん、ゆびきりしようよ」

雅臣は後ろを向いて右手の小指を立てた。

怜花もゆっくり小指を絡ませた。

「せーの」

『ゆびきりげんまん、嘘ついたら針千本のーます、ゆびきった!』

雅臣はゆっくり怜花を引き寄せて抱きしめた。