神谷家のリビングには龍斗と雅臣がいた。
「雅臣は結局怜花とどうなりたいんだ?」
「それは結婚したいよ小さい頃からずっと怜ちゃんの事が好きだし…でも憶えてない事を怜ちゃんは申し訳なく思ってる、僕は思い出話を普通にしたかっただけなのに…」
「憶えてないのも仕方ない、まあ大人になっても誰と寝たとか食事に行ったとか覚えてない俺の方がどうかと自分で思うけどな」
「どんだけ遊んでるんだよ、週刊誌に撮られるぞ」
「それなりに気をつけてるよ、それにそこまで有名じゃない」
「そんな事ないだろ」
「俺くらいのモデルなんていくらでもいる、ちゃんと割り切ってる子としか寝ない、俺の事はいいんだよ、怜花とちゃんと話せよ」
「もう昔の事は話さない方がいいみたいだ…お互いゆびきりが特別だと思っていたんだけど…僕の完全な一方通行だったみたいだ」
「お前って付き合った事ねえの?」
「うん」
「何で?」
「怜ちゃん以上に好きになれなかった」
「それを言わないとお前の想いは伝わらないぞ」



