「ゆびきりは憶えてる?」
「親に聞いたのよね…」
「うん」
「でも、私、花畑の記憶が少しあるのよね」
「花畑でもゆびきりをした、ひまわり畑、それは軽井沢の別荘の時かな…それが最初かな、背の高いひまわりに2人でかくれてたんだよ」
臣くんが続けてめくると指輪の絵が書かれてあった。
こんやくゆびわとかいてあるのは大きなダイヤがついていた。
けっこんゆびわは2つの指輪が書かれてあった。
次をめくると、こんいんとどけを2人で書いてあった。
ひまわりの花とハートと2人の名前…
「怜ちゃんが書いてくれた婚姻届(笑)」
「私…ごめん…こっちは憶えてない」
泣きそうな顔をしている。
雅臣は怜花の頭をポンと触った。
「思い出なんだから…怜ちゃんを泣かせたい訳じゃないよ、クリスマスパーティーを家でしたんだ、このじゆうちょうは捨てれない(笑)」
雅臣はじゆうちょうを机の引き出しにしまった。
「リビングに戻ろうか、怜ちゃん」
「……」
怜花は軽く頷いた。
リビングに戻るとハンカチを持っている怜花に母親が気づいた。
「あら、そのハンカチ」
「私の…返してくれた」
懐かしいわねと言っていた。
退院したばかりで長居も悪いので私達は帰ることにした。



