幼い頃、ゆびきりをした人は次期社長候補のあなたでした


「臣くん?」

「あっ、じゃあ部屋で話す?」

長い廊下のつきあたりに階段があり、2階へあがる。

「小さい頃…遊びに来たことあったよね?」

「あるよ、部屋で遊んだよ」

ドアを開けるとどうぞと言われて怜花が先に入る…

「この部屋、確かに来たことある!」

「うん、ベッド以外そのままだから…あっ、そうだ…」

雅臣は机の引き出しからハンカチを出した。

「これ、怜ちゃんのハンカチ」

「お花のハンカチだ」

「別荘で僕が怪我をした時に貸してくれたんだけど、洗って引き出しに入れたまま忘れてて…この間気づいたんだ」

じゆうちょうと書いてあるノートが出てきた。

なまえのところにはひらがなで、さのれいか、かみやまさおみと書いてあった。

「絵しりとりをしてたみたいだよ」

1枚ずつ2人で開いていく。

「…顔?臣くん、絵うまいよね」

次をめくるとおよめさんとドレスを着た女の子が書かれてあった。

「およめさんだ!」

「怜ちゃんが『ん』がついたから負けでここで絵しりとりは終わり(笑)」

「そうだよね、しりとりだもん(笑)」