幼い頃、ゆびきりをした人は次期社長候補のあなたでした


そういえば…1度企画課長から連絡があったのを忘れてた。

もっと頑張らないと…廊下で窓の外を見ていた。

「雅臣」
「兄貴」
「忙しかったのは聞いてる、さっきのは気にするな、ロゴの最終確認が欲しかっただけだ」

「ごめん、会社にほとんどいなくて…」

「うん、まかせとけ、これからは父さんがいるんだからお前も企画に参加しろよな」

肩をポンと叩いた。

「あー、何で僕は同時進行が出来ないんだろ」

「真っ直ぐで一生懸命なのがお前のいいところだよ、それに怜花が企画の人に面会時間に社長のところに行ってみればと連絡をくれたから行ったんだ、俺が1人でいったんじゃないから」

「そうなんだ…聞いてなかった」

「お前が忙しいのを怜花もわかってるんだろう」

「副社長の肩書きも重すぎる、シンガポールに戻ろうかな…」

「怜花と離れるつもりか?そもそも怜花に会いたくて帰るって言ったのは雅臣じゃないか」

「そうだけど、やっぱり経験が足りない、勉強が必要だ、怜ちゃんにもふさわしくない」

「ふさわしくないって誰が決めるの?」


「怜ちゃん…」

「龍くんこの間、ありがとうね」

「いや、助かったよ、ここじゃなんだから部屋で話せば?雅臣、父さんらの相手はまかせろ」

龍斗はリビングに戻って行った。