もう運命なんじゃない?と晴美は言った。
「どうやら親が言うにはお嫁さんになる約束をしてたらしい…」
「うん、いいんじゃない?」
「軽くない?」
「だって親も賛成で次期社長のイケメン、玉の輿、ハイスペじゃん〜」
「でも…」
「私らもそろそろ結婚も考えてもいい年頃なんだからね、タイミングも大事よ」
「タイミングか…」
でも晴美に話して少し感情は落ち着いた。
楽しめばと晴美には言われた。
会社では副社長が9月のパーティーに向けて動き出した。
副社長はパーティーに招待する人になるべく直接挨拶をして配りたいとのことでほぼ会社にいることはなかった。
ある日の夜、退院祝いをするから家族で家に来て欲しいと社長から連絡があったらしい…
予定は大丈夫?と聞かれたから大丈夫と返事をした。
土曜日の夕方、怜花のマンションに運転手さんが迎えにきてくれて、神谷家を訪問した。
乾杯〜と食事会が始まった。
「龍くん久しぶりだね、会社に来てる?」
「毎日行ってるよ、忙しくて(笑)」
「龍斗が病院にも来てくれてパーティーに向けての経過報告をしてくれたから助かったよ」
「えっ?あ、なんでもない…」
臣くんはトイレと行って席を立った。



