「ご褒美か…」
「今は一人焼肉も増えてるだろ?」
「一人焼肉…確かにいるけど場所とるから座席使う人も多くて」
「立ち食いそばとかも人気だし、焼肉だってカウンターある店あんじゃん」
雅臣は怜花と目が合った。
「私、1人でお店に入れない人なの、でも確かにカウンターで前にお店の人がいなかったらもしかして行けるかも」
「それでいこう」
「何だよ、急に…」
「いいヒントありがとうな、怜ちゃん食べよ」
「いただきます」
次焼いてくるんでーといいながら大樹は下がった。
しばらく食べていると御手洗にと怜ちゃんは部屋をでた。
注文の品を大樹が持ってきて並べていると
「雅臣、今日はこの店だけ?」と聞いてくる。
「午後から軽井沢に行ってきた」
「もうデートじゃん」
「んー、違うんだろうな、適度な距離をとられているような感じ、距離をつめたら離れそう…」
「彼氏はいないんだよな?」
「いないと聞いてる、なんなら付き合った事もないみたいだ」
「会社の立場とか…」
「それもあるかも」
「今重要なことは2人で食事にきてるってことだよ、嫌いなら来ない」
「うん、そうだな」
大樹が部屋を出ると怜花は戻ってきた。
お腹いっぱいになり店を出る。
マンションまで送ると「怜ちゃん…」雅臣は怜花の手を軽く握った。
「臣くん、どうしたの?」
「少しだけ…1分ちょうだい」



