「いらっしゃいませー、こちらへどうぞ」
大樹くんが部屋に案内してくれる。
怜花を先に席に案内すると雅臣は大樹に封筒を渡した。
「この間、ごめん」
「うん、全然、また来てくれて嬉しい」
「怜ちゃんがまだ食べてみたいものがあるんだって」
「おっ、それは頑張って焼くよ〜」
ごゆっくりと個室のドアを閉めた。
「大樹くんていつもニコニコしてて、商売人向きよね」
「いつか自分の店を持ちたいんだって」
「ライバルになるの?」
「さあ、どうだろ、でもチェーン店とかにするのは興味はないみたいだよ、直接お客さんと話せるような温かい居場所を作りたいって聞いたことがある」
「素敵な夢だね」
「常連になりたい(笑)」
「確かに!」
怜花は注文を始めた。
「おまたせー」
「美味しそう」
「俺が怜花さんの為に心を込めて焼いたから」
「僕は?」
「さあ(笑)」
「どれが怜ちゃんの注文かわからないだろ?」
「バレたか(笑)雅臣は冗談が通じないなぁ」
「私、普通にこの店に通いたいかも」
「来て来てー、カウンターで1人で来る女性も結構いるよ」
「へぇ、そうなんだ、カウンターで」
「今は自分が頑張ったご褒美で1人で店にくる女性は増えてる、手軽に短時間で」



