散歩を終えてソファで休憩していると飲み物を渡してくれた。
「この前、母さんに怒られた、外では記憶をなくすなって…」
「まあ、臣くんの立場よね」
「わかってはいたんだよ、アルコールもいつもより多いってわけじゃなかったし、何でだろうって次の日はずっと考えてた」
「疲れがでたんだよ、日本に帰ってきてからバタバタしてたし、覚えることもたくさんあったでしょ」
「会社外で怜ちゃんと一緒だったから安心してたのかな」…雅臣は怜花の肩に頭をポスっと置いた。
「さあね(笑)」
「あの日は、父さんにも大樹にも僕の気持ちを言われてさ、焦ってた…怜ちゃん、僕の気持ちに気づいてるよね?」
しばらく返事がなかった。
でも、もたれても逃げない…雅臣の心臓はドキドキしていた。
「私が……臣くんの初恋の人って事だよね」
「…うん」
「そろそろお店に向かう?」と怜花は言った。
雅臣は頭を起こした。
「窓を閉めてくるね、臣くんは下をお願い」
「うん」
怜花は2階の部屋に行った。
今、避けた?怜ちゃんは僕の事をどう思ってるんだろう…ずっと僕は怜ちゃんの事が好きなのに…
同じ会社だから?
副社長と秘書だから?
兄貴が好きとか?
僕の一方的な気持ちを伝えて怜ちゃんが困るなら言うべきじゃないのかな……



