「ごめん」
「記憶がなくなるまで飲むのはダメよ、外では絶対!貴方には会社が、社員の生活がかかっているのよ」
「はい…」
「あと、お店は友達が払ってくれたって怜花ちゃんが言ってたわ」
「わかった、連絡しとく」
「怜花ちゃんのタクシー代もね」
「はい」
時間になり運転手が迎えに来て会社に向かった。
奥の社長室に行って座ると怜ちゃんが入ってきた。
「昨日…ごめんなさい」
「いえ、今日の予定ですが…」
怒ってるかな…ちらっと怜ちゃんを見る。
普段通りだ、さすがだな…
「副社長、聞いてますか?」
「あっ、ごめん、そうだ昨日のタクシー代を払うよ」
「大丈夫ですよ」
「いや、高かっただろう」
「食事代も払ってもらってるので」
「大樹にも払いに行かなきゃ、今日払いに…連絡してみる」
「あの、また行きたいです、私昨日メニュー見ててまだ食べたいものがあったんですよ、でもお腹いっぱいになっちゃって」
「連絡してみるね」
「はい」
午後になって大樹から連絡が入る。
「佐野さん」と秘書課に声をかけると社長室に入った。
「今日、大樹休みなんだって、次の仕事は土曜日らしい」
「土曜日ですか…」
「用事ある?」
少し間があったが「大丈夫です」と返事が返ってきた。



