線を引いた記念品リストを社員に渡し、「後はお任せします」と行って会議室を出た。
すぐに龍斗が出てきて「おい」と呼ぶ。
「ん?」
「ん?じゃねーよ、一応初顔合わせだろ」
「あっ」
龍斗は神谷の名は出していないので周りは兄弟ということは知らない。
「そりゃ俺が連絡したけどさ、すぐに来るとは思わなかったわ、いきなり副社長が会議室に入ってきたら社員がびっくりするだろうが」
「そうだ、ごめん、普通に兄貴に呼ばれたと思って行ってしまった」
「ほら、名刺渡しておくな、そう言って出てきたから」
「ほんと、ごめん」
雅臣の肩をポンと叩いて龍斗は会議室に戻った。
社長室に戻ると怜花が部屋に入ってきた。
「どうかしましたか?」
「僕、周り見えてなくてさ…」
企画部の会議室に行った事を話した。
「んー、それは龍くんの方が終わってから連絡をくれれば良かったですね」
「はぁ…でも…」
落ち込んでる。
「行っちゃったものはしょうがないです、聞かれたらモデルの龍さんが来てるって聞いたから会ってみたかったと言えばいいです」
「そうする…ありがとう」
「そろそろお見舞いに行く準備しますね」
ホワイトボードに副社長と自分のところに直帰と書いた。
4時すぎに会社を出る。



