副社長は1度帰ったのか前髪をおろして、ジーパン姿で大学生に見えた。
気になる龍臣の店舗に入り普通に注文する。
「美味しいですね」
「うん、味は問題ない」
メニューを見てもそんなにおかしなメニューはないし…
「ちょっと御手洗に…」
怜花は席を立った。
戻ってくるとトイレも掃除できていると話した。
「ただ、この時間にしては客が少ないですね、従業員も暇そうです」
「うーん、今って高校生とかも普通に来るんだよね?」
「そうですね、打ち上げとか友達同士とか」
「店舗出す時に場所のリサーチはしているはずなんだけどな…」
副社長はスマホを見ていた。
「書き込みが古いんだよね、客層が高いのかな…調べてみるか」
「はい(笑)」
「ん?何かおかしい?」
「いえ、ちゃんと考えてらっしゃるので」
「当たり前だよ、仕事は好きだよ」
「龍くんが後を継がないことも受け入れてましたか?」
「うん、兄貴は昔から机でじっとしているタイプではない、でも羨ましいよ、人を惹きつける魅力があるからね、モデルにスカウトされたのもわかる」
龍くんの事を嬉しそうに話す副社長はお兄ちゃん大好きなんだと思った。



