幼い頃、ゆびきりをした人は次期社長候補のあなたでした


次の日、出勤すると副社長はもう席にいた。

昨日とは違ってスーツを着こなし前髪も上げている。

龍くんも身長が高いけど副社長も180cmはありそうな感じだ。

服装で随分大人っぽく見えた。

「おはようございます、副社長」

「おはようございます」

「これ、名刺です」

「ありがとう」ニコッと笑った。

給湯室の当番表に副社長はアイスカフェオレと怜花は書きこんだ。

朝の役員のお茶出しだけ当番がある。

後は来客によって出すものは違うのでその都度秘書が出す。

今日は全体朝礼があり、専務から社長の休養と副社長の紹介があった。

副社長は短い挨拶を済ませた。

社長室に戻るとカフェオレを出した。


「緊張しました?」

「いや、言うことは決めていたから」

時計を見ると外に出てくると言って午前中は戻ってこなかった。

最初の1週間は外に出ていたが次の週からはパソコン作業をずっとしていた。

怜花が2回目の名刺を持って入ると明日の夜って空いてる?と聞かれた。

「まあ…空いてますけど」

「これ見て欲しいんだけど」

龍臣の店舗別の売上報告だった。

「ここの店舗…ちょっと気になるから行ってみないか?」

「はい」

「明日、着替えを持ってきてくれる?」

「わかりました」

次の日、最寄り駅で待ち合わせをした。