心が優しいのか目が悪いのかわからないけど、とにかくみんなが間違った話をしているのは確かだ。


あと付き合ってるってのも違うからね。


「あー、いたいた桜井。補欠の人の提出しなきゃでどうやるのか教えて。」


それも前に言った気がするけどな……。


仕方ないから教えてると、また冷やかす声が周りから聞こえてくる。


体育祭を明日に控えた私たち。上手くいくのかっていう不安もあるけど、それ以上に楽しみ!


当日に何があるかわからないから、今日はぐっすり寝ておこう。


そんな感じでいっぱい寝た私、当日の朝はなんと4時半に起きた。


途中でうたたねしそうで怖いな……。


でも、初めてする委員会の仕事だから、と張り切ってグラウンドに飛び出して行った。


「そろそろ始まるぞ、座りなさい。」


昨日一生懸命セットしたテントの下でみんな仰いだりお茶を飲んだりと暑そうに過ごしている。


5月と言えど、もうジャージじゃとても暑すぎる気候になった。


一応で持ってこようとしたジャージを私は置いてきてしまった。まぁいいかな。


開会式も始まり、競技がスタートした。


初めは徒競走で、その次はムカデ競走などと進んでいく。


私が出るのは障害物競走で、練習の時は全敗だったから勝てるといいなぁ。


とうとう私の番が来て、ワクワクしながらスタート地点に向かった。


ピストルの音が鳴って、私は地面を蹴って走り出した。