あなたに手紙を渡した

「日頃の感謝の気持ちです」

卒業して一年もたった私の言葉に不思議そうなあなた

でも他の人の前ではこう言うしかないの


LINEで返事ください
そう最後に書いたけど、結局あなたの名前が画面に映ることはなかった

なにがいけなかったのかな
あそこの言葉が、言い方が良くなかったのかな
いやそうじゃない
好きになってもらうための”何か”が私にはなかった
欠けてはいないけど足りない
それ以下でもそれ以上でもない
どうしようもなかった

名前を覚えて欲しくて勉強も頑張ったのに
毎回話しかけてやっと世間話ができるようになったのに
見かけると嬉しそうに話しかけてくれたのに
やっと2人でご飯に行けるくらい仲良くなったのに
助手席に乗ってあなたの横顔を独り占めしたのに

少しずつ作り上げた関係が
紙切れ一枚で崩れてしまうんだね

今さら何を言ったって、関係をリセットなんかできない
何も行動しなかったときよりあなたが遠くにいる
これ以上は近づけなくて
もがくほどに離れていく

あなたがはっきり振ってくれないから
青い車を今も駐車場で探している
返事をくれないのが答えなの
わかってる
それでも
まだ手紙読んでないのかな
無くしちゃったとか?
それとも色々考えてくれてるのかな
返事を待つことをやめられない

それでも
あなたを困らせたかったわけじゃない
いつも一方的な気持ちを押し付けてごめんね
伝えなければよかったかな
手紙を渡さなければ
まだ2人で話したり笑い合ったりできたよね
それさえも、あなたにとっては迷惑かもしれない
やっぱり
変わらずにはいられなかった
あなたが誰かの隣で微笑むのをみたくなかった
それがあなたの幸せだとしても
あなたの幸せを喜べるように
私は自分の心に区切りをつけた

自分の気持ちを伝えたってちっともスッキリしなかった
今はどう思われてるんだろう
嫌われちゃったかな
不安なことが増えただけ
それでも
少しずつ受け入れなきゃね
あなたが結婚した時に1番にお祝いするのは私だから