そんな思い出はどこへ行ったやら、私は慧のことを忘れていた。

その時、私のバイト先に慧が入って来たのだった。

「慧?どうしたの?」

「バイト始めた」

「なんでここで?」

「前に同じチェーンでバイトしてたから」

「へぇ(笑)」

私が笑ったら、慧はえっ?って顔をして笑った。



そして、慧はすごく優しくて、気が付く人になっていた。

めんどくさがりやの私がやりたくないことを進んでやって、「ありがとうございます」となぜかお礼を言う。

そんな慧を見ていたら、複雑な気持ちになった。