その夜、俺は、日菜へ電話をかけた。
日菜はすぐ、電話に出た。
「もしもし」
「遅い時間に悪い。寝るとこだったか?」
「いえ、明日も休みなので、起きてました」
「来週の日曜日、出かけるか?」
「はい!」といつも通りの返事が返ってきた。
誰かと予定を入れてたらと思ったが、大丈夫だった。
「朔夜先輩と最近、一緒にいる時間が少なかったので、嬉しいです」
こうやって、真っ直ぐに思いを伝えてくれる日菜が
また、愛おしくなる。目の前にいたら、抱きしめてただろう。
「俺も」
どうしても、電話越しの時は口数が少なくなる。
「日菜、ありがとう」
「朔夜先輩?」
「俺も日菜に早く会いたい」
そして、俺が日菜に思いを伝える度に、また、日菜から真っ直ぐな言葉が返ってくる。
「大好きです」
「知ってる」
この日菜との時間がまた、愛おしくなる。