次の日の土曜日。
俺はひたすら、ホワイトデーのチョコのレシピを探していた。
母さんや姉さんが持ってたレシピ本には、俺でも作れそうなレシピは無く、結局、スマホの検索画面に、
「ホワイトデー 手作りチョコ 彼女」とワードを入れて、検索した。
画面をスクロールして行くと、生チョコのレシピが目に入った。
レシピを見てみると、材料も工程も少なく、簡単で美味しいそうだった。
これにするか。
試しに作ってみようと、冷蔵庫を開けて、チョコと牛乳を出した。
チョコを一口大に割って、ボールに入れ、レンジで溶かす。
チョコが溶けたら、牛乳を入れて混ぜて、クッキングシートを敷いた型に入れ、冷蔵庫で冷やす。
固まったら、ココアをかけて、切る。
すると、姉さん達が買い物から帰って来たらしく、玄関が騒がしくなった。
「ただいま。って、この香りは...。
あっ、朔夜、チョコ作ってるじゃん」
「ほんとだ。珍しい」
「もしかして、彼女?」
「そうだよ。バレンタインのお返し。生チョコだったら、俺にも出来そうだったから、試しに作ってみた。
姉さん達も、味見してくれねえか?」
「いいよ」
「助かる」
「その生チョコ、ココアかけてるけど、もう、固まったの?」
「上手く出来ていればな」
俺はピックに生チョコを刺して、口に入れた。
味は...。