ビターなフェロモン (短)

「!」


触るだけでおさまらなかったら、どうなるんだろう。

達する時以上のスゴイ何かが、待っているのかな。


「……っ」

「と、ならないように、だな。

桃子はフェロモンがおさまったら、直ぐに部室から出ろ」

「え……」


あ、そうか。蓮人くんは部活があるもんね。

そっか、帰りは別々か……。


と思っていると――


「俺も(色々処理したら)後から合流するから、体育館の前で待ってろ。今日は一緒に帰ろう」

「え……い、いいの?」


すると蓮人くんは、傘を握る私の手をキュッと掴んだ。


「いいの。っていうか……

両思いなのに浮かれてるの、俺だけ?」


ニッ


「!」


両思い――それは確かに蓮人くんの口から出た言葉で。

私の熱を更に上げるには、十分過ぎるパワーワードだった。