ビターなフェロモン (短)


だけど、まさに図星の言葉に、私の顔は更に赤くなって……。

それを見た蓮人くんは「マジ?」と、衝撃で固まった。


「桃子が俺のことを……好き?」

「ごめ、なさ……っ。た、たぶん……そう、です」

「いや、謝ることじゃ……そう、なのか」


トサッ


赤い顔で呆然とした蓮人くんが、傘を落とす。

今度は私が拾い、蓮人くんと私の二人が入るようにさした。


もうパタパタなんて雨音は聞こえなくて、私の心臓はバタバタ、ドキドキ――

これ、蓮人くんにも聞こえてるんじゃないかな……。


「あ、の……蓮人くん?」

「――――うん。よし」


長い沈黙の後。

蓮人くんは覚悟を決めた顔つきで、私を見つめた。


「なぁ桃子」

「な、に……っ?」

「学校でも言ったけど俺はフェロモンの恩恵を受けてるから、桃子は謝らなくていい。それより――

好きって言われたら触るだけじゃおさまらないけど、いいわけ?」