「それで……〝伝えたいこと〟とやらは終わったわけ?」
「あ……えと、終わった……のかな?」
伝えたいこと――それは、明日からも一緒に登下校していい?っていう内容だった。
そんな当たり前のことを、私が不安にならないようにか、皐月くんは改めて確認してくれた。
やっぱり皐月くんは優しい人――と私は思うのに、一方の蓮人くんは眉をしかめる。
「はぁ? なんだよ、その曖昧な感じ。皐月も意気地なしだな」
そして意地悪く「ヒヒ」と笑う蓮人くんは、一歩、私に近寄った。
「あんま〝まごまご〟してると、横から俺に掻っ攫われるぞ皐月……なんてな」
「!」
ドキン、と心臓が跳ねた。
蓮人くんの言葉に。
蓮人くんの手が私にのびる、その仕草に……心が弾む。
だけど蓮人くんは「私に触れてはいけない」事を思い出したのか。
まるで条件反射のように素早く手を引っ込めた。
「あぶな、ここでフェロモン出るとこだったな」
「……っ」
私から離れていく手が、なんだか切なくて。
触ってほしいって――そう思ってしまった。
ギュッ
「え、おい。桃子!」



