こんな悲鳴が聞こえるのはいつものことで、

教室の廊下側の窓はほぼ女の子で埋まっている。


こんな悲鳴をあげているのは、


学年、いや、学校1イケメンと言われている、相澤雅くんが廊下を通ったから。


相澤くんを一目でも見ようと教室から女の子たちが出てくるのだ。

入学初日、少しだけ話したことがあるがそれっきり。

オタクでいつも教室の端っこにいる私とは違う世界にあるような人だ。


「やばいやばい!うちのクラス入ってきたよ!」

なんて、うちのクラスの女の子が言う。

私のクラスの扉は出たくても出れないほどに女子たちで埋まっていく。


「私は早く桜くんと会いたいんだけど」

なんて、文句を言う柚希。


柚希みたいに相澤くんに目を向けないのはほぼ少数。

ちなみに私もその1人である。

相澤くんを見てるより、早く帰って昨日のアニメを5回ぐらいみたい…