となりの初恋

私はイヤホンを両耳につけ、音量を一つ下げて曲を流した。
推しの伸びやかな歌声が耳に入る。


イヤホンをしていたからか、私には何の音も、隣にいる櫻井海斗の声ですら聞こえてこなかった。



「……ちょっとくらい、興味持ってくれても良いじゃん」


その声はきっと、誰にも届かなかっただろう。