まったく、櫻井海斗は何がしたいんだろう。
自分のことを好きな女子を突き放すようなことを言って、大して話したこともない根暗に好かれるようなことを言って。
ほんと、人気者の考えることは掴めない。
私の左、一番窓際で一番後ろの席には櫻井海斗が座っている。
さっきから女子たちの視線が痛い。
一番ここに似合わないと分かっているのは自分だ。
先生が一言言ってから教室を出て行く。
それと共に男子は席を立って、この席が良いとか悪いとか大声で喋っている。
隣にいる櫻井海斗は机に突っ伏して寝ていた。
女子は吸い寄せられるように私の方に歩いてくると、気を張るように腕を組んだ。
「高橋さん、海斗くんの隣なんてどういうつもり?もしかして、海斗くんのこと好きとか」
「いえいえそんな」
顔の前で×印を作って強調する。
女子はまだ怪訝そうな顔をしていた。
「私は櫻井さんのこと、なんっとも思ってませんので!ご安心を!」
自分のことを好きな女子を突き放すようなことを言って、大して話したこともない根暗に好かれるようなことを言って。
ほんと、人気者の考えることは掴めない。
私の左、一番窓際で一番後ろの席には櫻井海斗が座っている。
さっきから女子たちの視線が痛い。
一番ここに似合わないと分かっているのは自分だ。
先生が一言言ってから教室を出て行く。
それと共に男子は席を立って、この席が良いとか悪いとか大声で喋っている。
隣にいる櫻井海斗は机に突っ伏して寝ていた。
女子は吸い寄せられるように私の方に歩いてくると、気を張るように腕を組んだ。
「高橋さん、海斗くんの隣なんてどういうつもり?もしかして、海斗くんのこと好きとか」
「いえいえそんな」
顔の前で×印を作って強調する。
女子はまだ怪訝そうな顔をしていた。
「私は櫻井さんのこと、なんっとも思ってませんので!ご安心を!」


