【書籍&コミカライズ】魅了持ちの姉に奪われる人生はもう終わりにします〜毒家族に虐げられた心読み令嬢が幸せになるまで~

 オティリエとヴァーリックが婚約して数カ月が経った。もうすぐ年末。オティリエたちは通常の仕事納めに加えて、新年の祝賀行事の準備に追われていた。


「今年は特にあっという間だった気がするな」


 書類にサインをしながらヴァーリックが言う。オティリエはそっと目を細めながら「そうですね」と返事をした。


「本当にいろんなことがありましたものね」


 昨年の秋頃から対応に追われていた神殿の騒動に、ヴァーリックの妃を選ぶためのお茶会。婚約披露の夜会でイアマが暴走したり、オティリエ自身は妃教育と補佐官の二足のわらじで奮闘したりと、息つく間もない忙しさだった。


「それでも、今年は聖女聖誕祭を楽しめるぐらいの時間は取れると思うんだ」

「聖女聖誕祭ですか?」


 聞き返しながら、オティリエはちらりと窓の外を見る。