それは神殿の事件について糸口が見つかり、ヴァーリックの執務室が不夜城と化したときのことだ。
「ヴァーリック様とオティリエさんはそろそろお部屋にお戻りください」
時計を確認しながらエアニーがそう言った。日付は疾うの昔に変わっており、補佐官の皆が目をこすっている。机の上にはありとあらゆる資料が積み上げられていて、全く片付きそうな気配がない。
「いえ、私はもう少しここに残らせてください。まだ眠くありませんし、このまま働けますから」
オティリエの返事を聞いたあと、エアニーは首を横に振った。
「駄目です。睡眠を取らないと作業効率が落ちますから。一日二日で片がつく仕事なら話は別ですが、今回は長丁場になります。今は帰って休んでください」
「けれど、エアニーさんたちは残るのでしょう?」
「残りますが、これからこの部屋で交代で仮眠を取ります。女性のオティリエさんにはそんな真似はさせられませんので、部屋にお戻りください」
「だけど! ……そう、ですね」
エアニーも他の補佐官たちも、オティリエを仲間はずれにしたいわけではない。女性だからといって差別をしたいわけでもない。長時間の深夜労働や、男性とともに仮眠を取ることが好ましくないからと心配をしてくれているだけなのだ。
エアニーは特にオティリエのことを心から心配してくれていて【オティリエさんは能力を駆使して疲れているだろうし、倒れてほしくないんです。オティリエさんは捜査の要ですから】と考えてくれている。
「ヴァーリック様とオティリエさんはそろそろお部屋にお戻りください」
時計を確認しながらエアニーがそう言った。日付は疾うの昔に変わっており、補佐官の皆が目をこすっている。机の上にはありとあらゆる資料が積み上げられていて、全く片付きそうな気配がない。
「いえ、私はもう少しここに残らせてください。まだ眠くありませんし、このまま働けますから」
オティリエの返事を聞いたあと、エアニーは首を横に振った。
「駄目です。睡眠を取らないと作業効率が落ちますから。一日二日で片がつく仕事なら話は別ですが、今回は長丁場になります。今は帰って休んでください」
「けれど、エアニーさんたちは残るのでしょう?」
「残りますが、これからこの部屋で交代で仮眠を取ります。女性のオティリエさんにはそんな真似はさせられませんので、部屋にお戻りください」
「だけど! ……そう、ですね」
エアニーも他の補佐官たちも、オティリエを仲間はずれにしたいわけではない。女性だからといって差別をしたいわけでもない。長時間の深夜労働や、男性とともに仮眠を取ることが好ましくないからと心配をしてくれているだけなのだ。
エアニーは特にオティリエのことを心から心配してくれていて【オティリエさんは能力を駆使して疲れているだろうし、倒れてほしくないんです。オティリエさんは捜査の要ですから】と考えてくれている。



